2026年1月からゆうちょ銀行の相続手続きは何が変わった?変更点と注意点を解説

2026.09.14
30秒でわかる本記事のまとめ
  • 2026年1月から、ゆうちょ銀行の相続手続きの一部がWeb申請に対応し、相続した預貯金を他の銀行口座へ振り込めるようになった
  • 他行への振込先は代表者1人に限られ、相続手続きも引き続き2段階で進める必要があるため、複数の相続人で預貯金を分ける場合は手間がかかることがある
  • 金融機関によって、印鑑証明書の有効期限や、複数の相続人それぞれの口座へ直接振り込めるかどうかなど、相続手続きの対応が異なる
  • 将来の相続に備えるなら、銀行口座を増やしすぎず、遺言書で口座ごとに相続する人を決めておくことで、相続手続きの負担を減らせる場合がある
  • 「相続に備えて銀行口座をどう整理すればよいかわからない」「遺言書を作って相続手続きの負担を減らしたい」という方は、相続専門の税理士法人NCPの無料相談へお問い合わせください

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越阪部 洋之(おさかべ ひろゆき) この記事の監修者

【監修者】越阪部 洋之(おさかべ ひろゆき)

税理士法人NCP 代表社員税理士・行政書士

新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人(現EY税理士法人)を経て、税理士法人レガシィ、OAG税理士法人にて相続税実務を経験。その後、NCP越阪部税理士事務所を設立し、法人化。相続税専門歴15年以上、個人申告件数1,400件以上。複雑な相続案件・税務調査対応にも豊富な実績を持つ。累計受託件数125,000件以上・累計相談件数400,000件以上の実績を持つNCPグループにおいて、相続税申告業務に携わる。

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※この記事は、相続税申告や相続手続きに関する正確な情報を必要とされている方に向けて、税理士法人NCP代表社員税理士・越阪部 洋之が記事品質を監修し、作成しております。また、当コラムは弊社独自のコンテンツ制作・編集ポリシーに沿って制作されています。

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話者プロフィール

越阪部 洋之(税理士法人NCP 代表社員税理士)
相続専門の税理士として16年以上、相続税の申告件数は1,500件超え。BIG4税理士法人や大手相続専門税理士法人を経て、税理士法人NCPを設立。「最適かつ最高のサービスを、相続に関わる全ての人へ」をミッションに掲げ、士業を「サービス業」と位置付けた気軽に相談できる相続支援にこだわる。YouTubeチャンネル「相続専門税理士オサカベのホンネTV」では、相続の基礎・対策・実例を本音でわかりやすく発信している。

スタッフ(聞き手)
YouTubeチャンネル「相続専門税理士オサカベのホンネTV」運営スタッフ。相続をこれから学ぶ立場として、視聴者と同じ目線で素朴な疑問を越阪部にぶつけていく。

▼本記事の内容は動画でも解説しています

2026年1月、ゆうちょ銀行の相続手続きは何が変わった?

ゆうちょ銀行の相続手続きで不便な点

スタッフ:ゆうちょ銀行は、相続が発生したときの手続きが大変だったと聞きます。2026年1月から一部の手続きが変わって、以前より便利になったそうですね。まず、どんな点が不便なのか教えてください。

越阪部:大きく2つあります。1つ目は、相続手続きを2段階の申請で進める必要があること。2つ目は、相続した預貯金をほかの銀行口座へ直接振り込めなかったことです。

スタッフ:まず1つ目から教えてください。

越阪部:一般的な銀行では、相続に必要な書類をそろえて提出すれば、その後は銀行内で審査が進みます。

一方、ゆうちょ銀行では、まず亡くなった方と相続人の関係などを記載した「相続確認表」を提出します。その後、相続手続きに必要な書類が送られてきたら、改めて記入・押印して提出するという2段階の流れです。

スタッフ:最初に確認用の書類を出して、そのあと相続手続きの書類をもう一度出す必要があるんですね。

越阪部:はい。郵送でのやり取りも発生するため、ほかの銀行と比べると、手続きに時間を要することがあります。

そして、2つ目は、相続した預貯金の受け取り方です。

以前は、ゆうちょ銀行の口座から、ほかの銀行の口座へ直接振り込むことができませんでした。相続人がゆうちょ銀行の口座を持っていれば、その口座へ振り込むことはできましたが、持っていない場合は、払戻証書を受け取って自分で手続きをする必要がありました。

スタッフ:場合によっては、現金で受け取って、そのまま持ち帰ることもあったんですか?

越阪部:そうです。ゆうちょ銀行の通常貯金は、1人あたり1,300万円までという預入限度額があります。相続では、それに近いまとまった金額を受け取るケースもあるので、多額の現金を持ち歩くことになれば負担も大きいです。

変更点1.相続手続きの一部がWeb申請に対応

スタッフ:不便だった手続きが、2026年1月から変わったんですよね。

越阪部:はい。まず、これまで窓口で行っていた相続手続きの一部をWebから申請できるようになりました。

ただし、誰にとってもWeb申請は使いやすいとは限りません。

Webから申請するには、亡くなった方のゆうちょ銀行口座の「記号」など、口座情報を把握している必要があります。ゆうちょ銀行の「記号」は、一般的な銀行でいう口座番号のように、その口座を特定するために使う番号です。

スタッフ:通帳を見れば分かるのではないですか?

越阪部:通帳や証書が残っていれば確認できますが、通帳や証書が見つからないケースもあります。実際、司法書士に聞くと、Web申請ではなく、窓口で手続きを進めることが多いそうです。

亡くなった方の口座をすべて把握できているとは限らないからです。残高証明書などを取得したところ、別の口座が見つかることもあります。

スタッフ:Webで申請できるようになったからといって、必ずしもWebのほうがよいわけではないんですね。

越阪部:そうですね。便利にはなりましたが、口座の状況によっては窓口で手続きしたほうが安心なケースもあります。

変更点2.他の銀行口座への振込が可能に

スタッフ:もう1つの変更点は何ですか?

越阪部:2026年1月から、相続したゆうちょ銀行の預貯金を、ほかの銀行の口座へ振り込めるようになりました。これは以前と比べて便利になった点です。

例えば、相続人がゆうちょ銀行の口座を持っていなくても、自分が普段使っている銀行口座で相続したお金を受け取れるようになりました。

ゆうちょ銀行の相続手続きでまだ不便な点

不便な点1.他行への振込先は代表者1人に限られる

スタッフ:ほかの銀行に振り込めるようになったのであれば、かなり便利になったように感じます。

越阪部:確かに便利にはなりました。ただし、他行への振込先は代表者1人の口座に限られます。

例えば、相続人が長男と次男の2人で、ゆうちょ銀行にある預貯金を2分の1ずつ相続するとします。この場合、それぞれの銀行口座へ直接半分ずつ振り込んでもらうことはできません。

まず代表者である長男の口座に全額を振り込み、その後、長男から次男へ相続分を振り込む必要があります。

スタッフ:銀行側ですべて分けて振り込んでくれるわけではないんですね。

越阪部:そうです。相続人が1人であればかなり便利になりましたが、実際の相続では、預貯金を複数の相続人で分けるケースも少なくありません。

そうすると、いったん代表者が受け取ってから、改めてほかの相続人へ振り込む必要があるので、結局ひと手間かかります。

現場としては、複数の相続人へ直接振り込めるようになると、より使いやすくなると感じます。

補足.相続手続きで知っておきたいポイント

残高100万円以下なら1人で手続きできる場合がある

スタッフ:ゆうちょ銀行では、相続人が複数いる場合、必ず全員で手続きしなければならないのでしょうか。

越阪部:実は、ゆうちょ銀行では以前から、口座の残高が100万円以下の場合、相続人のうち1人が代表して簡易的に手続きできる場合があります。

例えば相続人が3人いると、通常であれば全員の署名や押印などが必要になることがありますが、残高が100万円以下で一定の条件を満たせば、代表者1人で手続きを進められることがあります。

ゆうちょ銀行以外でも複数人に振り込めない金融機関はある

スタッフ:代表者1人にしか振り込めないのは、ゆうちょ銀行だけですか?

越阪部:いえ、ゆうちょ銀行だけではありません。銀行や信用金庫など、ほかの金融機関でも、相続した預貯金の振込先を代表者1人に限っているところがあります。

一方で、複数の相続人それぞれの口座へ直接振り込んでくれる金融機関もあり、金融機関によって対応が異なります。

スタッフ:どの銀行でも同じように分けて振り込んでもらえるわけではないんですね。

越阪部:そうです。代表者1人にしか振り込めない金融機関を利用されている場合は、あらかじめ手間が発生することをお伝えしています。

不便な点2.相続手続きは今も2段階で進める必要がある

スタッフ:ほかにも、まだ改善してほしいところはありますか?

越阪部:相続手続きを2段階で進めなければならない点です。

相続確認表を提出して、その後に届く書類でもう一度手続きをする必要があります。2段階で申請しなければならないのはゆうちょ銀行だけです。ほかの銀行のように、1回の手続きで済むようになると助かりますね。

相続に備えて考えておきたい銀行口座の管理方法

銀行口座はできるだけ少なくする

スタッフ:相続の手続きだけを考えた場合、銀行口座を利用するうえで、どんなことに気をつけておけばよいですか。

越阪部:まず、銀行口座はできるだけ少なくしておくのがおすすめです。口座が多いと、その分だけ相続手続きも増えるので、2行程度にまとめておくとよいでしょう。

スタッフ:どの銀行にまとめるのがよいですか?

越阪部:私はメガバンクがよいと思います。

ペイオフを気にされて複数の銀行に預金を分けている方もいます。ペイオフとは、金融機関が破綻した場合に、原則として1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までと、その利息が保護される仕組みです。

ただ、メガバンクが破綻する可能性は低いと考えているので、メガバンクにある程度まとめておくのがよいでしょう。

印鑑証明書の有効期限は金融機関によって異なる

スタッフ:複数の銀行に口座を持っていると、ほかに手続きで困ることはありますか?

越阪部:銀行によって、相続手続きで使う印鑑証明書の有効期限が異なるので、注意が必要です。

相続では、本人確認などのために印鑑証明書の提出を求められますが、発行から6ヵ月以内であれば使える銀行もあれば、3ヵ月以内でなければならない金融機関もあります。

スタッフ:同じ印鑑証明書でも、銀行によって使える期間が違うんですね。

越阪部:そうです。ゆうちょ銀行やメガバンクでは6ヵ月以内のものを使えるケースがありますが、信用金庫や農協などでは3ヵ月以内としているところもあります。

期限が切れるともう一度取り直さなければならない場合があります。

ネット銀行は相続人によって負担になることがある

スタッフ:最近はネット銀行を利用している人も増えていますが、相続手続きはどうでしょうか。

越阪部:ネット銀行は、相続する方によっては手続きが大変だと思います。ネット銀行は基本的に窓口がないので、ネットや郵送で手続きを進めることになります。

ネットでの手続きに慣れている方であれば問題ないですが、相続の現場では高齢の方も多くいらっしゃいます。高齢の方の場合、ネットでの手続きになじみがなく、「わからないので全部お願いしたい」となるケースもあります。

スタッフ:窓口がないことが、相続のときには不便になる場合もあるんですね。

越阪部:そうですね。高齢の方にとって、ネット銀行の相続手続きは負担に感じられると思います。

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相続手続きの負担を減らすためにできる対策

遺言書で口座ごとに相続する人を決めておく

スタッフ:実際に、相続手続きの負担を減らすための対策として、これまでやってきたことはありますか?

越阪部:あります。例えば、遺言書を作っておく方法です。

「ゆうちょ銀行の預金は長男に」「他の銀行の預金は次男に」というように、誰がどの口座を相続するのかを遺言書で決めておけば、その内容に沿って手続きを進められます。

遺言書がない場合は、遺産分割協議書を作ったり、相続人の印鑑証明書を用意したりする必要がありますが、遺言書があれば、こうした印鑑証明書が不要になるケースもあります。

預貯金の配分は口座残高で調整できる

スタッフ:遺言書を作ったあとに、「やっぱり預金の分け方を変えたい」と気持ちが変わった場合はどうすればよいですか?

越阪部:大きく2つあります。1つは、遺言書を作り直す方法、もう1つは、口座の残高を変える方法です。

例えば、遺言書で「ゆうちょ銀行は長男」「他の銀行は次男」と決めていて、預金の割合が6対4だったとします。それを5対5に変えたいのであれば、口座間でお金を移して残高を調整すればよいのです。

スタッフ:遺言書を書き直さなくても、残高を変えれば調整できるんですね。

越阪部:そうです。遺言書には通常、どの銀行の口座を誰に相続させるかは書きますが、残高までは書きません。預金残高は日々変わるからです。

そのため、不動産などほかの内容は変えず、預貯金の配分だけを変えたいのであれば、口座残高を調整する方法があります。

公正証書遺言を作り直すとなると、改めて費用がかかります。預貯金の配分だけを変えたい場合は、遺言書を書き直さずに残高で調整する方法も選択肢の1つです。

まとめ:ゆうちょ銀行の相続手続きは事前の準備が重要

2026年1月から、ゆうちょ銀行では相続手続きの一部がWeb申請に対応し、相続した預貯金をほかの銀行口座へ振り込めるようになりました。

一方で、他行への振込先は代表者1人に限られ、相続手続きも引き続き2段階で進める必要があります。複数の相続人で預貯金を分ける場合などは、手間や時間がかかるケースがあるので注意してください。

また、相続手続きは金融機関によって異なります。印鑑証明書の有効期限が異なったり、ネット銀行では高齢の相続人にとって手続きが負担になったりすることもあります。そのため、将来の相続を考えるなら、銀行口座を増やしすぎず、家族が手続きしやすい形に整理しておくことも大切です。

さらに、遺言書で口座ごとに相続する人を決めておけば、相続手続きの負担を減らせる場合があります。

「ゆうちょ銀行の相続で何から手をつければよいかわからない」「遺言書を作って相続手続きの負担を減らしたい」という方は、お気軽に税理士法人NCPの無料相談をご利用ください。

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※本記事は、令和7年4月1日現在の法令に基づいて制作されたYouTube動画「ゆうちょ銀行の相続が大幅変更されました!【手続き簡単になったが大改悪?】」(税理士法人NCP・相続専門税理士オサカベのホンネTV)の内容をもとに作成しています。最新の税制については税理士などの専門家にご確認ください。

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