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2022.02.20

相続税対策でアパート経営がおすすめ?節税の仕組みや注意点を解説!

賃貸アパートを所有していると相続税対策になるといった話を聞いたことがあるでしょうか。相続税対策として検討するのであれば、その詳細についても知っておきたいですよね。
相続税対策は「いかにして不動産の相続税評価額を下げるか」がポイントです。
不動産の相続税評価額が下がれば、全体の相続財産の評価額を下げることができるため、効果的な相続税対策を行うことができるようになります。

なぜ相続税対策に不動産がおすすめなのか


不動産の相続税評価額は現金で持っているよりも相続税評価額が低くなるので、節税対策になります。
その理由を、例を用いて説明します。

例)現金1億円とアパート(不動産)1億円を比較した場合
現金1億円の資産の場合は1億円がそのまま相続税評価額となります。
アパート1億円の場合は以下の計算式です。
1億円×約70%=4,900万円
この例に基づくと、現金と比べてアパートの方が「5,100万円分」の節税となります。
では、次の見出しで計算方法を見ていきましょう。

アパート経営で相続税評価額を抑える仕組み

上記の例で使用した計算式を用いて、「アパート経営で相続税評価額を抑える仕組み」について解説します。
以下の3点が主な仕組みです。
  • 建物は時価よりも相続税評価額が低い
  • 貸家建付地、家屋の評価方法で評価額が抑えられる
  • 小規模宅地等の特例の適用
それぞれ3つの仕組みを詳しく解説していきます。

建物は時価よりも相続税評価額が低い

現金1億円を投資してアパートを建築した場合、アパートの相続税評価額は1億円とはなりません。なぜなら、アパートの相続税評価額は固定資産税評価額によって評価するためです。固定資産税評価額は物件にもよりますが、時価の60%から70%となります。

例)
固定資産税評価額→(1億円×約70%)、貸家評価→(×0.7)
このことから「1億円×約70%×0.7=4,900万円」の相続税評価額となります。

貸家建付地、家屋の評価方法で評価額が抑えられる

貸家建付地、家屋の相続税評価額の計算式です。計算方法は、次の見出し「アパート経営でできる節税対策」にて説明します。

【評価の計算式】
貸家建付地の評価額=自用地としての評価額×(1―借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
建物の評価額=建物の固定資産税評価額×(1―借家権割合×賃貸割合)

小規模宅地等の特例の適用

ある一定の要件を満たすと、アパートの利用目的となっている土地の相続税評価額について、土地の相続税評価額を50%減額できるという小規模宅地等の特例が適用できるケースがあります。(限度面積は200㎡まで) 小規模宅地等の特例について詳しくはこちら

アパート経営でできる節税対策

それでは、アパート経営でできる節税対策として、何が挙げられるでしょうか。 具体的に見ていきましょう。

固定資産税の節税

土地は、住宅が建っていると固定資産税が安くなるという仕組みがあり、宅地の固定資産税は、「住宅用地」と「非住宅用地」の2つに分類されます。
住宅用地とは、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地を指します。それに対して、非住宅用地とは住宅用地以外の宅地を指します。また、何も建っていない更地は「非住宅用地」に該当します。 「非住宅用地」と「住宅用地」を比べると、「非住宅用地」の方が固定資産税は高くなるため、建物がある土地の固定資産税は安くなります。

所得の計算方法

不動産所得は次のように計算します。
総収入金額―必要経費=不動産所得の金額
「必要経費となるもの」
イ.固定資産税→アパートに係る土地・建物の固定資産税
ロ.損害保険料→アパートに係る保険料
ハ.減価償却費→減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続きの費用のこと
二.修繕費:外壁の塗り替え、共用部の修繕、排水管の工事等

アパート経営における相続税評価額の計算方法

ここでは、2-2「貸家建付地、家屋の評価方法で評価額が抑えられる」で挙げた計算方法を説明します。
【貸家建付地の相続税評価額】
例)「1億円の土地を相続した場合」
評価額は1億円、借地権割合が60%、借家権割合が30%、賃貸割合90%の場合
→1億円×(1-0.6(借地権割合)×0.3(借家権割合)×0.9(賃貸割合)=8,380万円

【建物の相続税評価額】
例)「固定資産税評価額1億円の土地を相続した場合」
評価額は1億円、借地権割合が60%、賃貸割合100%の場合
→1億円×(1-借家権割合 0.3×賃貸割合 1.0)=7,300万円

例に基づくと、自用地(自分で利用している土地)と比べて、どちらも相続税評価額を抑えることができます。

アパート経営で失敗しないための注意点


これまでは、アパート経営を行うメリットについてご説明いたしましたが、もちろんメリットだけではありません。注意点も確認していきましょう。

特例が適用できないケースや税負担の可能性を確認する

イ.所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)附則により、平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しないものとする経過措置が設けられています。

ロ.税負担が増えてしまう可能性がある
アパート経営をすることによって所得は増えるので、所得に比例して、住民税の税額も増えることになります。他に、社会保険料や年金保険料等も所得金額によって納める金額が変わるので、注意が必要です。

資金計画

アパート経営は、相続税対策に有効であり、長期的な収入を得ることができますが、入居者の確保や建物本体の工事費用の他に、外構などの付帯工事、各種申請手続き費用、税金など修繕・維持管理費などが必要となります。
建築費用は、建物の構造や工法、設備のグレード、規模、敷地条件などによって変わってきますので、資金計画を立てる際には注意しましょう。
また、節税のみでなく収益が見込めるかを考えて経営ができるように検討しましょう。

専門家に相談する

アパート経営はメリット・デメリットがありますが、これまで説明してきたように①相続税評価額がかなり低くなる②賃貸経営のリスクも少ない③家賃収入も得られるなど相続税対策には効果的です。
相続税対策で何から始めればいいかわからない場合などは、専門の税理士に相談するのがおすすめです。

アパートの相続税対策に関するよくある質問

アパートは誰の名義で購入するべきでしょうか?

アパートの名義は費用を支払った人の名義になるので、費用を支払っていない人の名義にすることはNGとなっています。また、よくあるケースとして、父が購入し、名義も父となっているが、家賃収入については妻や子の口座に入金していることがあります。その場合は、妻や子の口座に入った1年間の収入金額が110万円以上であると、贈与税申告と納税の義務が生じることがあるので注意しましょう。


アパートにどれくらいの金額を投資すればよろしいでしょうか?

節税することばかりに気を取られて、手許のお金を使いすぎてしまうと、日常生活費や医療費、介護費、子供の教育費に充てるお金が無くなってしまうので「どれくらいの金額を投資するか?」というより、今後の賃貸収入として見込まれる金額や借入をして建てる際の借入返済金額などを逆算して考え「どれくらいの金額なら、投資できるか?」を考えると良いでしょう。


相続人が複数いる場合、注意するべきことはあるでしょうか?

原則として、相続開始日から分割協議確定の間は、共通財産となるため、法定相続分での確定申告が必要です。共有相続でも、入居者は相続した人の代表口座に家賃を支払うため、家賃も共有相続の持分割合に応じての精算が必要になるため注意しましょう。

まとめ

今回は、相続税対策でアパート経営がおすすめされる理由について説明してきました。アパート経営はまさに節税対策の王道とも言えます。自身の持つ不動産の評価方法など、わからない場合には専門の税理士に相談することをおすすめいたします。

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