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市街地農地

2021.04.30

市街地農地等ってどんな土地?評価方法を注意点とともにご紹介!

はじめに

市街化区域にある農地(市街地農地)、山林(市街地山林)、原野(市街地原野)をまとめて市街地農地等といいます。
また、市街化区域とは、現在市街地として栄えている地域や今後整備され市街化がすすめられる地域のことを指します。
これまで様々な宅地の評価方法をご紹介してきましたが、今回はこの市街地農地等の評価についてご紹介します。

市街地農地等の評価概要

市街化区域にある農地、山林、原野は、「宅地比準方式」と呼ばれる方法で以下のような算式を用いて評価します。

 

上記算式の「その農地等が宅地であるとした場合の1㎡あたりの価額」は、路線価方式により評価する地域はその路線価によって、倍率地域の場合は近傍宅地(評価しようとする農地に最も近接し、かつ、道路からの位置や形状等が最も類似する宅地)の評価額(宅地としての固定資産税評価額×宅地としての評価倍率)を基準として計算します。

また、造成費(宅地造成費)とは、その農地等を宅地に転用する場合にかかる費用のことで、「1㎡あたりの造成費の金額」は、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに、定められており、国税庁のホームページで確認することが出来ます。次項で東京都の例をご紹介します。

宅地造成費について

市街地農地等における宅地造成費の金額は、平坦地と傾斜地の区分により異なります。
令和2年度の東京都の宅地造成費の金額は以下の通りです。

平坦地の宅地造成費

 

〈用語解説〉

①「整地費」…凹凸がある土地の地面を地ならしするための工事費又は土盛工事を要する土地について、土盛工事をした後の地面を地ならしするための工事費。

②「伐採・抜根費」…樹木が生育している土地について、樹木を伐採し、根等を除去するための工事費。整地工事によって樹木を除去できる場合には、造成費に本工事費を含めません。

③「地盤改良費」…湿田など軟弱な表土で覆われた土地の宅地造成に当たり、地盤を安定させるための工事費。

④「土盛費」…道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ(原則として道路面)まで搬入した土砂で埋め立て、地上げする場合の工事費。

⑤「土止費」…道路よりも低い位置にある土地について、宅地として利用できる高さ(原  則として道路面)まで地上げする場合に、土盛りした土砂の流出や崩壊を防止するために構築する擁壁工事費。

傾斜地の宅地造成費

傾斜地の宅地造成費の金額は、整地費、土盛費、土止費の宅地造成に要するすべての費用を含めて算定したものです。
以下の表の金額には、伐採・抜根費は含まれていません。そのため、伐採・抜根を要する土地については、「平坦地の宅地造成費」の「伐採・抜根費」の金額を基に算出し加算します。

 

傾斜度3度以下の土地については、「平坦地の宅地造成費」の額により計算します。

傾斜度については、原則として、測定する起点は評価する土地に最も近い道路面の高さとし、傾斜の頂点(最下点)は、評価する土地の頂点(最下点)が奥行距離の最も長い地点にあるものとして判定します。

傾斜度の測定には、国土地理院の等高線図を用いて地図上で算出する方法や、現地調査で角度傾斜計やレーザー測量器を用いて確認する方法があります。

市街地山林の評価

市街地山林の価額は、通常2の概要でもご紹介した通り、宅地比準方式により算出しますが、以下の2つの場合は、その市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められ、評価方法が異なります。

(1)その山林を宅地比準方式によって評価した結果、近隣の純山林の価額に比準して 評価した価額を下回る場合

(2)その山林が急傾斜地等であるために宅地造成ができないと認められる場合

上記の場合、山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価することになります。

評価の際の注意点

市街地農地等の評価にあたっては、重要な点が2つあります。

1つ目は、現地調査を行うことです。評価対象地に宅地造成費が控除できるかどうかは現地へ行かなければわからないので、必ず現地調査を行う必要があります。

2つ目は、宅地への転用が出来るかどうかの確認を行うことです。先に述べた市街地山林の例と同様に、市街地農地や市街地原野の評価の際にも宅地比準方式が使えない場合がありますので、必ず確認が必要です。

まとめ

今回は、市街地農地等の評価について簡単にご紹介しました。
宅地比準方式による評価は、触れる機会も少ないため、土地評価に精通していなければ、税理士にとっても難しい評価方法です。
専門家ではない方がご自身で判断することによって誤った評価を行ってしまうと、不要な税金まで支払うことになりかねません。
相続された土地の評価にお困りの際は、土地評価に精通した専門家である、私たち税理士法人NCPにご相談されることをおすすめします。

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