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特定同族会社事業用宅地等

2021.11.12

徹底解説!小規模宅地等の特例の特定同族会社事業用宅地等とは?

特定同族会社事業用宅地等とは?

今回は、小規模宅地等の特例の対象となる特定同族会社事業用宅地等について詳しく解説します。

特定同族会社事業用宅地等とは、一定の法人の事業の用に供されていた宅地等のことを指します。ここでいう「一定の法人」とは、相続開始の直前において被相続人及び被相続人の親族等が法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を保有している法人、つまり同族会社を意味します。すなわち、特定同族会社事業用宅地等とは、被相続人が同族会社の事業用に貸し出している土地のことです。なお、ここでいう「事業」には、不動産貸付事業(賃貸住宅、貸駐車場など)は含まれません。

特例の適用要件について

特定同族会社事業用宅地等の特例の適用には、以下のような要件があります。

①法人役員要件
相続又は遺贈により取得した被相続人の親族が、相続税の申告期限においてその法人の役員であること。

②保有継続要件
相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を保有していること

①について、取得した親族が法人の役員でない場合は特定同族会社事業用宅地等の特例ではなく、貸付事業用宅地等の特例の対象となります。

限度面積と減額割合

限度面積と減額割合は以下の通りです。

限度面積:400㎡
減額割合:80%

面積が400㎡を超える宅地の場合は、そのうちの400㎡までの部分に関して80%の減額が可能です。

申告の際の添付書類について

特定同族会社事業用宅地等の特例を適用する際は、たとえ適用した結果納税が発生しない場合でも、相続税の申告を行う必要があります。
申告の際は、通常の相続税申告の際に必要な書類の他に、以下の書類が必要となります。

①特定同族会社の定款の写し
②特定同族会社の株式名簿

特例が適用できないケースについて

特定同族会社事業用宅地等の特例は、以下の2つのケースでは、適用できません。

①建物を無償もしくは相場よりも低い賃料で貸している場合
特定同族会社事業用宅地等の特例は、土地に対する相続税を軽減し、賃料によって生活を支えている相続人の生活を保障するという趣旨で設けられている特例措置です。無償もしくは相場よりも低い賃料で貸していたのであれば、その土地は相続人の生活を支えているとはいえないため、特例の対象にはなりません。

②土地の上に建物や構築物がない場合
特定同族会社事業用宅地等の特例を適用するためには、特例の対象となる土地の上に建物や構築物(例えば、事務所や倉庫など)があることも要件となりますので、青空駐車場や資材置き場など建物や構築物がない土地については、特例の対象とはなりません。

他の特例との併用について

特定同族会社事業用宅地等の特例は、これまでご紹介してきた特定居住用宅地等や貸付事業用宅地等、特定事業用宅地等の各特例と併用することができます。複数の土地をお持ちの場合に役立ちますので簡単にご紹介します。

①貸付事業用宅地等がない場合
貸付事業用宅地等がない場合は、それぞれの特例の上限面積まで適用できます。ただし、特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等は合わせて400㎡が上限面積となりますので注意が必要です。
具体例として、特定居住用宅地等、特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等の3つの特例を併用する場合を考えてみます。
その場合、特定居住用宅地等の限度面積は330㎡、特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等の限度面積は合わせて400㎡となり、減額割合はすべて80%となるため、合計730㎡まで80%の減額が適用出来るということになります。

②貸付事業用宅地等がある場合
貸付事業用宅地等の特例と併用する場合は、それぞれの特例の上限まで適用出来るわけではないため、注意が必要です。
特定居住用宅地等を①、貸付事業用宅地等を②、特定事業用宅地等を③、特定同族会社事業用宅地等を④とした場合、以下の算式で計算される部分の面積の範囲で適用できます。

まとめ

今回は、小規模宅地等の特例の対象となる特定同族会社事業用宅地等について解説いたしました。特例居住用宅地等、貸付事業用宅地等の特例とは異なり、あまり身近ではないかもしれません。そして、手続きに必要な書類も多く、煩雑です。しかし、他の特例と正しく併用すれば、評価額を下げることも可能ですので、土地評価に詳しい専門家に一度ご相談されることをおすすめします。

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