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地積規模の大きな宅地の評価

2021.03.01

地積規模の大きな宅地の評価方法と注意点

はじめに

前回はセットバックを必要とする宅地や都市計画道路予定地の区域内にある宅地等、4つの宅地の減額要素についてご紹介いたしました。しかしながら、相続税の申告における土地評価の減額要素は、前回ご紹介した以外にも多くあります。今回は、前回ご紹介しきれなかった減額要素のうち、「地積規模の大きな宅地」について焦点をあててご説明させていただきます。

地積規模の大きな宅地

地積規模の大きな宅地とは?

地積規模大きな宅地とは、三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1000㎡以上の地積の宅地を指します。
地積だけでなく、下記のいずれかに該当する宅地は、評価対象外となります。

  1. 市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条第12項に規定する開発行為を行うことができる区域を除きます。)に所在する宅地
  2. 土地計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地
  3. 指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)
  4. 財産評価基本通達22-2に定める大規模工業用地

また、三大都市圏については下記の地域を指しています。

  1. 首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯
  2. 近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域
  3. 中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域

評価対象となる宅地

路線価地域に所在するものについては、1-1に当てはまる宅地のうち、「普通商業・併用住宅地区」及び「普通住宅地区」に所在するものとなります。
また、倍率地域に所在するものについては、1-1に当てはまる宅地であれば対象となります。
旧制度の広大地の評価と大きな違いは、マンションの敷地であっても対象となるということです。マンションについても、要件を満たせば同様に適用が可能です。

評価方法

  1. 路線価地域に所在する場合
  2. 倍率地域に所在する場合
    a. の価額と b. の価額のいずれか低い価額により評価します。

    1. 対象宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額
    2. 対象宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡あたりの価額に、普通住宅地区の奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、対象宅地の地積を乗じた価額

規模格差補正率の計算方法


上記算式におけるⒷ、Ⓒは下記の通りです。

【三大都市圏に所在する宅地】

【三大都市圏以外の地域に所在する宅地】

評価における留意点

そもそも土地の評価単位は、基本的に利用単位ごとで評価をすることとなっており、1筆単位ではありません。したがって、2筆の土地であっても一体的に利用されていれば1つの土地として評価されるため、2筆の全体地積が評価地積となります。
そう考えると、適用可能な土地は少なくないと感じるお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで注意が必要なのが、遺産分割の際に土地を分割して相続する場合です。
遺産分割で土地を分筆・分割する場合、分割後の土地を1つの評価単位として計上することとなっています。これまで被相続人が1つの利用単位として所有していたとしても、分割するのであれば適用できない可能性があります。ただし土地を分割せずに、共有持分で相続される場合は適用が可能です。

まとめ

今回は、地積規模の大きな宅地について焦点をあててご説明いたしました。1-5で説明しましたように、被相続人が持っている土地をそのまま評価できるわけではなく、遺産分割にも関わる難しい減額要素です。また、この遺産分割においてもこの条件を適用するためだけに共有持分にしてしまうと、売却の際、仮に分割することとなった場合、今回の遺産分割が適当であったかを調査される可能性があります。
そうならないためにも、一度税理士に相談して評価してもらうことをお勧めします。

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