貸家建付地の相続税評価とは?まずは概要を理解しよう!
2021.05.27貸家建付地とは?
貸家建付地とは、自己が所有する土地に建てた家屋を他に貸し付けし、賃料を受け取っている場合の土地のことを指します。したがって、誰かに貸していても賃料を受け取っていなければ対象となりませんし、家屋が建っていない駐車場のような土地についても貸家建付地とはなりません。
評価方法
貸家建付地は下記のように相続税評価します。自用地の評価額-自用地の評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
計算に用いる評価額や割合については、次章以降で説明いたします。
自用地の評価額
自用地とは、自分自身で使用し、他に使用する権利のない土地のことを指します。そのため、一番高い評価額となります。路線価×地積に様々な補正を加えて自用地の評価額を算出しますが、様々な補正についてはこれまでのブログでご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
借地権割合
借地権とは、家屋を建てるために地代を払って他から土地を借りるための権利のことです。借地権の割合は、国税庁が路線価図や倍率表で定めています。(国税庁より)
青で印を付けた部分の路線価を使う土地については、Dの60%が借地権割合となります。
借家権割合
借家権とは、家屋を借りている人の権利を指します。借家権割合は、全国一律で30%と定められています。賃貸割合
賃貸割合は、被相続人が亡くなられた時点での貸している部屋の割合のことです。例えば、4部屋のうち2部屋空室となっていた場合は50%となります。厳密には、貸している部屋の床面積で割合を計算します。
また、一棟貸ししている場合は空室を考慮せず、割合は100%となります。
まとめ
今回は、貸家建付地について簡単にご説明しました。計算式だけを見ると、自分自身でも評価できそうと思われるかもしれませんが、自用地の評価額を求めるにも様々な確認事項があったり、貸家建付地に当てはまるかどうかの判断が難しい土地があったりと多くの規定を頭に入れながら評価を進めなければなりません。小規模宅地等の特例の適用についても考えなければならない評価になる可能性がありますので、一度土地の評価に詳しい専門家へご相談することをお勧めします。