二世帯住宅で相続税対策になる小規模宅地等の特例適用と注意点を解説!
2022.06.30
二世帯住宅とは、親世帯と子世帯が同居する住宅のことです。
ご両親もしくはお子様と二世帯住宅を建てることになった場合、将来的な相続について考えておくことは大切なポイントになります。
ここでは、二世帯住宅における小規模宅地の特例や注意点等について解説していきます。
(例)
評価額が1億円の土地であっても、適用すると評価額を2,000万となります。そのため、小規模宅地等の特例を適用すれば、大幅な節税効果が見込めます。
二世帯住宅の敷地の用に供されている土地は、「特定居住用宅地等の特例」を適用できる可能性があります。次の見出しでは、「特定居住用宅地等の特例」について適用できる場合・できない場合について説明します。
二世帯住宅で特例を適用する場合、「誰が取得するか」が重要なポイントです。
取得者によって変わる特定居住用宅地等の特例の適用パターンを説明いたします。
●配偶者が取得するパターン
①配偶者が取得する場合(区分所有登記あり・生計は別)
被相続人の居住の用に供されていた敷地の部分が特定居住用宅地等に該当する
②配偶者が取得する場合(区分所有登記あり・生計一親族)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
③生計別の子がいるケースで配偶者が取得する場合(区分所有登記なし・生計は別)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
④生計一親族がいるケースで配偶者が取得する場合(区分所有登記なし・生計一親族)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
●子が取得するパターン(配偶者がいる場合)
①配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記あり・生計は別)
特定居住用宅地等に該当しない
②配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記あり・生計一親族)
子が取得した敷地部分が特定居住用宅地等に該当する
③配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記なし・生計は別)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
④配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記なし・生計一親族)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
●子が取得するパターン(配偶者がいない場合)
①配偶者がいない場合(区分所有登記あり・生計は別)
特定居住用宅地等に該当しない
②配偶者がいない場合(区分所有登記あり・生計一親族)
子が取得した敷地部分が特定居住用宅地等に該当する
③配偶者がいない場合(区分所有登記なし)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
以上、具体例を説明いたしました。他にもパターンはありますので、詳細は専門の税理士にご相談ください。
国税庁のHPにも取得者と取得者ごとの要件が明確に規定されています。
引用:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」より
登記の内容を同一にする方法として、「共有登記」と「合併登記」があります。
〇「共有登記」
二世帯住宅を一戸の住宅として、親子が共有名義で登記する方法です。
注意点として、共有名義に変更するだけではなく、親と子が「同一生計」である必要があります。
〇「合併登記」
隣接する区分建物の障壁を除去(取毀)して、構造上・利用上一つの建物になった場合にする登記方法です。合併登記にはいくつかの要件を満たさなければなりません。詳細は専門の税理士にご相談ください。
※区分所有登記がされているかどうかは、固定資産税の納税通知書を確認しましょう。区分所有登記されている場合には、それぞれの所有者に、別々に固定資産税の納税通知書が送られてきます。
納税通知書(下記図参照)の家屋欄に家屋番号が2つあると、区分登記されていることになります。
特に二世帯住宅の場合、ご家族とのトラブルにつながる可能性もあります。小規模宅地等の特例について少しでも分からないことがあれば、専門の税理士にご相談ください。
適用するためには、登記を同一にするなどポイントもいくつかあり、適用されるパターンもさまざまです。小規模宅地等の特例について、少しでも分からない場合は相続専門の税理士に相談することをおすすめいたします。
ご両親もしくはお子様と二世帯住宅を建てることになった場合、将来的な相続について考えておくことは大切なポイントになります。
ここでは、二世帯住宅における小規模宅地の特例や注意点等について解説していきます。
二世帯住宅の敷地の用に供されている土地の相続税評価額を80%減額できる小規模宅地等の特例とは
小規模宅地等の特例「特定居住用宅地の特例」を適用できる?!
小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた自宅の敷地や、事業に使用していた建物の敷地等を、一定の要件の下に、330㎡まで評価額を80%減額することができる特例です。(例)
評価額が1億円の土地であっても、適用すると評価額を2,000万となります。そのため、小規模宅地等の特例を適用すれば、大幅な節税効果が見込めます。
二世帯住宅の敷地の用に供されている土地は、「特定居住用宅地等の特例」を適用できる可能性があります。次の見出しでは、「特定居住用宅地等の特例」について適用できる場合・できない場合について説明します。
「特定居住用宅地等の特例」を適用できる場合・適用できない場合
二世帯住宅で特例を適用する場合、「誰が取得するか」が重要なポイントです。
取得者によって変わる特定居住用宅地等の特例の適用パターンを説明いたします。
●配偶者が取得するパターン
①配偶者が取得する場合(区分所有登記あり・生計は別)
被相続人の居住の用に供されていた敷地の部分が特定居住用宅地等に該当する
②配偶者が取得する場合(区分所有登記あり・生計一親族)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
③生計別の子がいるケースで配偶者が取得する場合(区分所有登記なし・生計は別)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
④生計一親族がいるケースで配偶者が取得する場合(区分所有登記なし・生計一親族)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
●子が取得するパターン(配偶者がいる場合)
①配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記あり・生計は別)
特定居住用宅地等に該当しない
②配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記あり・生計一親族)
子が取得した敷地部分が特定居住用宅地等に該当する
③配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記なし・生計は別)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
④配偶者がいるケースで子が取得する場合(区分所有登記なし・生計一親族)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
●子が取得するパターン(配偶者がいない場合)
①配偶者がいない場合(区分所有登記あり・生計は別)
特定居住用宅地等に該当しない
②配偶者がいない場合(区分所有登記あり・生計一親族)
子が取得した敷地部分が特定居住用宅地等に該当する
③配偶者がいない場合(区分所有登記なし)
敷地全体が特定居住用宅地等に該当する
以上、具体例を説明いたしました。他にもパターンはありますので、詳細は専門の税理士にご相談ください。
二世帯住宅で小規模宅地等の特例を適用する際の注意点(特定居住用宅地等の場合)
小規模宅地等の特例の適用要件(特定居住用宅地等の場合)
小規模宅地等の特例の適用における節税効果は大幅に期待できますが、利用するには一定の要件を満たす必要があります。国税庁のHPにも取得者と取得者ごとの要件が明確に規定されています。
引用:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」より
提出書類の要件
小規模宅地の特例を適用する場合は、相続税の申告書を税務署へ提出しなければなりません。提出する場合の添付書類について、下記をご参照ください。 引用:国税庁「(参考) 相続税の申告の際に提出していただく主な書類 – 国税庁」より二世帯住宅で相続税対策をするときのポイント
ここでは、二世帯住宅における相続税対策のポイントを解説いたします。登記の内容を同一にする
1階はご両親家族、2階は自身の家族など区分所有登記がされていると、小規模宅地等の特例が適用されないので、区分所有登記を解消する必要があります。登記の内容を同一にする方法として、「共有登記」と「合併登記」があります。
〇「共有登記」
二世帯住宅を一戸の住宅として、親子が共有名義で登記する方法です。
注意点として、共有名義に変更するだけではなく、親と子が「同一生計」である必要があります。
〇「合併登記」
隣接する区分建物の障壁を除去(取毀)して、構造上・利用上一つの建物になった場合にする登記方法です。合併登記にはいくつかの要件を満たさなければなりません。詳細は専門の税理士にご相談ください。
※区分所有登記がされているかどうかは、固定資産税の納税通知書を確認しましょう。区分所有登記されている場合には、それぞれの所有者に、別々に固定資産税の納税通知書が送られてきます。
納税通知書(下記図参照)の家屋欄に家屋番号が2つあると、区分登記されていることになります。
専門の税理士に相談する
小規模宅地等の特例を適用したい場合は、相続税対策に強い税理士に相談することをおすすめします。小規模宅地等の特例を適用するにあたって、適用の有無のパターンにいくつか種類があったり、満たさなければいけない要件があったりと複雑です。特に二世帯住宅の場合、ご家族とのトラブルにつながる可能性もあります。小規模宅地等の特例について少しでも分からないことがあれば、専門の税理士にご相談ください。
まとめ
今回は、二世帯住宅で相続税対策になる小規模宅地等の特例適用と注意点について説明しました。二世帯住宅で小規模宅地等の特例を適用できると大幅な節税対策につながります。適用するためには、登記を同一にするなどポイントもいくつかあり、適用されるパターンもさまざまです。小規模宅地等の特例について、少しでも分からない場合は相続専門の税理士に相談することをおすすめいたします。