相続税の税額控除とは?7種類の税額控除を徹底解説!
2021.01.29相続税における税額控除とは?
相続税における税額控除とは、各相続人の納付すべき相続税額から直接一定額を差し引くことのできる制度のことです。相続税の計算をするにあたり、自身が適用される控除を知らないと余分な相続税を支払う可能性があります。今回は、相続税額から差し引くことのできる7つの税額控除について詳しくご説明します。
税額控除の種類
相続税の税額控除には7種類あります。- 贈与税額控除(暦年課税贈与)
- 配偶者の税額軽減
- 未成年者控除
- 障害者控除
- 相次相続控除
- 外国税額控除
- 贈与税額控除(精算課税贈与)
贈与税額控除について(暦年課税贈与)
この規定は、同じ財産に対して、贈与税と相続税がかかり二重で課税されることを防ぐための制度です。【適用対象者】
相続や遺贈によって財産を取得し、被相続人より相続開始前3年以内に贈与を受けた際に贈与税が課税された人
【控除できる金額】
その年分の贈与税額×相続税の課税価格に加算された贈与財産の価額
/その年分の贈与税の課税価格に算入された財産の価額の合計額
/その年分の贈与税の課税価格に算入された財産の価額の合計額
配偶者の税額軽減について
この規定は、被相続人の財産形成に対する配偶者の貢献と配偶者の今後の生活保障を考慮した制度です。【適用対象者】
被相続人の配偶者
【控除できる金額】
(1)配偶者の算出相続税額 (2)相続税の総額×次のイ又はロの金額のうち、いずれか少ない金額/相続税の課税価格の合計額 イ.相続税の課税価格の合計額にその配偶者の法定相続分を乗じて得た金額に相当する金額(1億6,000万円に満たない場合には1億6,000万円) ロ.その配偶者の相続税の課税価格に相当する金額 |
未成年者控除について
この規定は、未成年者が成人になるまでの養育費や教育費を考慮した制度です。【適用対象者】
- 相続や遺贈により財産を取得した人(一定の人を除く)
- 被相続人の法定相続人に該当
- 相続開始日に20歳未満である人
【控除できる金額】
10万円×その人が20歳に達するまでの年数(1年未満切上)
障害者控除
この規定は、障害がある方の生活保障を考慮した制度です。【適用対象者】
- 相続や遺贈により財産を取得した人(一定の人を除く)
- 被相続人の法定相続人に該当
- 相続開始日に85歳未満の障害者
【控除できる金額】
10万円(特別障害者は20万円)×その人が20歳に達するまでの年数
(1年未満切上)
(1年未満切上)
相次相続控除について
短期間に相続が続くと、一度相続税を納付した財産に対して再度相続税がかかることとなります。そのためこの規定は、税負担が重くなってしまうことを防ぐための制度です。【適用対象者と条件】
- 相続人
- 被相続人が10年以内に相続により財産を取得し、その際に相続税を支払っていること
各相続人の控除額は、下記の通り計算します。
A×(C/B-A)[求めた割合が100/100を超える時には、100/100とする]×D/C×(10-E/10) A:今回の被相続人が前回の相続の際に課税された相続税額 B:被相続人が前回の相続で取得した純資産額 C:今回の相続で相続人および受遺者が取得した財産の価額 D:今回の相続で各相続人が取得した取得した財産の価額 E:前回の相続から今回の相続までの期間(1年未満の端数は切捨て) |
外国税額控除
外国にある財産について、日本と外国の相続税が二重でかかることを防ぐための制度です。【適用対象者】
相続又は遺贈により法施行地外にある財産を取得し、その財産についてその地の法令により相続税に相当する税を課された人
【控除できる金額】
その課せられた日本の相続税額に相当する税額 [限度額] 算出相続税額×法施行地外にある財産の価額/その相続又は遺贈により取得した財産の価額のうち課税価格計算の基礎に算入された部分 |
贈与税額控除について(相続時精算課税贈与)
この規定は、2-1同様に、同じ財産に対して、贈与税と相続税がかかり二重で課税されることを防ぐための制度です。【適用対象者】
- 相続税課税適用者
- 贈与を受けた相続時精算課税適用財産につき、贈与税の納付をしたことがあること
上記②で納付した贈与税額 |