小規模宅地等の特例の特定居住用宅地等とは?詳しく解説!

2021.10.11

特定居住用宅地等とは?

今回は、小規模宅地等の特例の対象となる特定居住用宅地等について詳しく説明します。
特定居住用宅地等とは、相続開始の直前に被相続人が住んでいた宅地等で、配偶者や一定の条件を満たした親族が相続または遺贈により取得した土地を指します。

利用状況について

はじめに、特例の対象となるかどうかを判断するために利用状況を確認します。
対象となる土地は以下の通りです。
  1. 被相続人が所有している土地に住んでいた場合
    被相続人が老人ホームに入居されていた場合でも、要介護認定を受けていた等要件を満たしていれば、老人ホーム入居前までは住んでいたとみなされます。
    また、建物を被相続人が所有していなかったとしても、生計を共にしていた親族が所有していた場合は、特例の対象となります。

  2. 被相続人が所有している土地に親族が住んでいた場合
    親族といっても、生計を共にしていないと対象となりません。
    例として、被相続人の仕送りで生活している家族がいたとします。その家族の住んでいる土地の所有者が被相続人だった場合、その家族が住んでいる土地も特定居住用宅地等に当てはまります。

取得者について

次に、取得者について確認します。取得する人によって特例が受けられない場合があるので注意が必要です。
  1. 配偶者
    内縁の妻等の婚姻関係のない人は該当しません。配偶者については、前条のどちらの土地を取得した場合でも適用の対象となります。

  2. 同居親族
    被相続人と同居していた家族を指します。

  3. 家なき子
    家なき子は以下の要件を全て満たしていないといけません。
    • 被相続人に配偶者がいないこと
    • 被相続人に同居している相続人がいないこと
    • 相続開始前3年以内に取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋に居住したことがないこと
    • 相続開始時に、取得者が住んでいた家屋を所有していたことがないこと

継続要件について

取得者が決まった後は、土地をすぐに売ってしまって良いのでしょうか。
実は、配偶者が取得した場合以外は、申告期限まで所有し続けたり、居住し続けたりしなければなりません。

限度面積と減額割合

限度面積と減額割合は以下の通りです。

限度面積:330㎡
減額割合:80%

まとめ

今回は、小規模宅地等の特例の対象となる特定居住用宅地等について説明いたしました。80%の減額はとても大きいため、利用したいと考える方も多いのではないでしょうか。小規模宅地等の特例を利用するためには、相続税の申告書の提出が必須条件となりますので、特例の利用も含めて誰が取得すると税金面で有利かを専門家に相談してみることをお勧めします。

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